終活は、一度にすべてを決める作業ではありません。まず「家族が連絡や手続きで困りやすい情報」を整理し、物・住まい・デジタル情報・医療やケアの希望などを少しずつ共有します。気持ちや状況は変わるため、書いた内容を定期的に見直せる形にしてください。
- 年代を問わず終活で整理しておきたい全体項目
- 連絡先・契約・重要書類を最初に整理する順序
- 物・デジタル情報・住まい・医療やケアの希望の分け方
- 法律・医療と家財整理で相談先を分ける考え方
- 内容を定期的に見直すタイミング

記事監修者プロフィール
遺品整理士歴10年、これまでに5,000件以上の遺品整理や特殊清掃に携わる。手がけた遺品整理で発見された貴重品のうち、お返ししたタンス預金の合計だけでも3億3千万円にも上り、貴金属などの有価物を含むと5億円近くの金品を依頼者の手元に返して来た。
遺品を無駄にしないリユースにも特化。東南アジアへの貿易を自社にて行なっており、それに共感を覚える遺族も非常に多い。また不動産の処分も一括で請け負い、いわるゆ「負動産」を甦らせる取り組みにも尽力して来た。
一般社団法人ALL JAPANTRADING 理事
一般社団法人家財整理相談窓口会員
一般社団法人除染作業管理協会理事
宅地建物取引士(日本都市住宅販売株式会社代表取締役)
株式会社RISE プロアシスト東日本
代表 仲井
終活は何から始める?最初の3項目
- 緊急時の連絡先と家族へ伝える人を決める
- 口座・保険・契約など「存在だけ」を一覧にする
- 重要書類の保管場所を家族へ共有する
暗証番号やパスワードそのものを誰でも見られる場所へ書かず、保管方法と必要時の確認手順を分けてください。
終活でやることリスト10項目
1. 基本情報と連絡先
氏名、生年月日、かかりつけ先、緊急連絡先、家族・親族・友人など、必要時に連絡してほしい相手を整理します。
2. 口座・保険・契約の一覧
金融機関、保険会社、年金、携帯電話、インターネット、定期購入など、契約先と問い合わせ先を一覧にします。残高や認証情報の保管は別に考えます。
3. 重要書類の保管場所
本人確認書類、保険証券、不動産関係書類、契約書、印鑑などがどこにあるかを記録します。原本を一か所へ集める場合は防犯にも配慮してください。
4. エンディングノート
家族へ伝えたい希望、連絡先、物の譲り先などを自由に記録できます。ただし、エンディングノートと遺言書は役割が異なります。法的な効果が必要な内容は、法律の専門家や公的窓口へ確認してください。
5. 遺言・相続に関する相談
財産の分け方、遺言の方式、相続人間の問題などは個別事情で判断が変わります。法務省は自筆証書遺言書保管制度を案内していますが、保管制度の利用だけで内容の法的妥当性が保証されるわけではありません。
6. 物の生前整理
一部屋を一度に空にするのではなく、「残す・譲る・売却を検討・保留・手放す候補」に分けます。所有関係や家族の希望が未確認の物は保留します。具体的な作業は生前整理のやることリストと進め方をご覧ください。
7. デジタル情報
スマートフォン、パソコン、メール、SNS、クラウド、サブスクリプション、ネット金融などの存在と確認方法を整理します。認証情報を平文でまとめず、端末の解除や保管方法を安全に決めます。
8. 住まいと空き家の方針
今後も住む、住み替える、施設入居後に管理する、売却・賃貸を検討するなど、現時点の希望を共有します。家財を先にすべて撤去すると選択肢に影響することがあるため、住まいの方針と片付け範囲を同時に考えます。
9. 医療・ケアについて話し合う
医療やケアの希望は、一度書いて終わりではありません。厚生労働省は「人生会議」として、望む医療やケアを前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組を案内しています。具体的な医療判断は、かかりつけ医などへ相談してください。
10. 葬儀・供養・連絡の希望
葬儀の規模、宗教・宗派、連絡してほしい人、供養方法など、現時点の希望を記録します。実施可否や費用、家族の事情もあるため、絶対的な指示ではなく話し合いの出発点として共有します。
年代別記事との違い
本記事は全年代に共通する総合チェックリストです。40代から小さく始める方法やエンディングノートの書き方は、40代の終活は何から始めるかで詳しく整理しています。
終活で避けたい5つの進め方
- 暗証番号やパスワードを見える場所へまとめる
- 家族に伝えず、物や契約を一気に処分する
- エンディングノートだけで法的問題が解決すると考える
- 医療やケアの希望を一度だけ書いて固定する
- 古い情報を更新せず、そのままにする
困りごと別の相談先
| 困りごと | 主な相談先 |
|---|---|
| 相続・遺言・法的な問題 | 弁護士、司法書士等、法テラスなどの案内窓口 |
| 医療・ケアの希望 | かかりつけ医、医療・ケアチーム |
| 介護・地域生活 | 地域包括支援センター、市区町村窓口 |
| 物・家財の整理 | 家族、自治体、必要に応じて生前整理事業者 |
| 空き家・住まい | 市区町村の住宅・空き家窓口、不動産の専門家 |
法制度や相談機関が分からない場合は、法テラスの相談窓口・法制度案内も確認できます。
見直すタイミング
- 年に一度など定期的な時期
- 引越し、退職、結婚・離婚、家族構成の変化
- 病気、介護、入院、施設入居
- 口座・保険・契約・端末を変更したとき
- 住まいの売却・賃貸・解体を考え始めたとき
更新日を記録し、古い一覧と新しい一覧が混在しないようにします。
よくある質問
終活は何歳から始めるものですか?
本記事では年代を限定せず、連絡先、契約、重要書類、物、デジタル情報、住まいなど、必要な項目から少しずつ整理する方法を扱っています。
最初からエンディングノートを全部埋める必要がありますか?
一度に完成させる必要はありません。まず緊急時の連絡先、契約の存在、重要書類の保管場所など、家族が確認しやすい情報から始めます。
パスワードも一覧に書いておくべきですか?
暗証番号やパスワードそのものを誰でも見られる場所へまとめず、保管方法と必要時の確認手順を分けて考えます。
相続や医療の判断も片付け業者へ相談できますか?
法的な問題は法律の専門家や公的窓口、医療・ケアの具体的な判断はかかりつけ医などへ確認します。家財の仕分け・整理・搬出など物理的な作業は、必要に応じて整理事業者へ相談します。
終活の内容は一度決めたら変えないほうがよいですか?
状況や希望は変わるため、定期的な時期や契約・住まい・家族構成などが変わったときに見直し、更新日を記録します。
まとめ
終活は、連絡先、契約、重要書類、物、デジタル情報、住まい、医療・ケアの希望を少しずつ整理する取組です。法律・医療は専門家や公的窓口へ確認し、家族と共有しながら何度でも見直してください。まずは緊急連絡先と重要書類の場所から始めると、負担を抑えて継続できます。







