遺品整理

遺品整理の委任状は必要?立ち会えないときの書類と任せる範囲

遺品整理の委任状と立ち会えないときの準備を表す、書類・鍵・家のイラスト

遺品整理を業者へ依頼するとき、立ち会えないからといって必ず委任状が必要になるとは限りません。必要な書類や形式は、誰が依頼するのか、誰に何を任せるのか、鍵をどのように受け渡すのか、管理会社などへの提出があるのかによって変わります。

業者に所定の書式がある場合は、自己流の委任状を作る前に、その書式を使えるか聞いておきます。立ち会えない場合は、次の4点を先に決めておくと打ち合わせが進めやすくなります。

  • 依頼者と現地対応する人を分け、誰がどこまで判断するか決める
  • 対象住所、鍵の受け渡し、仕分け・搬出など任せる作業範囲を伝える
  • 残す物・探してほしい物・触れない物と、本人への照会が必要な事項を伝える
  • 予定外の作業が出た場合の連絡方法と、作業後の完了報告方法を決める

遠方などの事情で現地に立ち会えない場合は、まず実際の依頼条件と家財量、希望する作業範囲をお伝えください。立ち会いの要否や必要な準備を含め、現場ごとの条件に合わせて見積もりをご相談いただけます。遺品整理の見積もりを相談する

目次

遺品整理の委任状に書く内容は?まず作業範囲を決める

書面を用意する場合は、誰が誰に、どの住所で、何を任せるのかを分かる形にします。次の表は法的な完成書式ではなく、見積もりや打ち合わせの前に伝えておきたい内容です。

項目具体的に決めておきたい内容
依頼者誰からの依頼なのか。氏名・連絡先など、業者から求められる情報をそろえる
任される人家族や代理で現地対応する人がいる場合、その人が何を任されているのかを明確にする
対象住所どの住宅・居室を対象とする依頼なのかを特定する
期間いつからいつまでの対応を想定しているのか。退去などの期限がある場合は別途伝える
見積もりと契約現地確認への対応を任せるだけなのか、見積内容の承認や契約まで任せるのかを分ける
受け渡す鍵、受け渡し方法、保管中の連絡、作業後の返却方法を決める
仕分け・搬出範囲どの部屋・収納・屋外部分などを作業対象にするのかを決める
残す物家具、書類、写真、形見など、残す物を品名や場所が分かる形で伝える
探している物通帳、印鑑、鍵、契約書、写真など、捜索を希望する物があれば具体的に伝える
触れない物・場所判断が済んでいない物や、作業対象から外す部屋・収納などを指定する
追加作業当初の見積もりにない作業が必要になった場合、誰へ連絡し、どの時点で判断を求めるかを決める
完了報告作業後の連絡方法や、写真などによる確認を希望する場合は、その範囲を事前に相談する

作成日、署名、押印、添付書類などの扱いは提出先や使用する書式によって異なります。一律の条件を決めつけず、所定書式や指定事項があるかを確認してから書面を整えてください。

また、買取では「査定してもらうこと」と「その金額で売却を決めること」は同じではありません。代理の人に査定対応だけを任せるのか、売却の承認まで任せるのか、代金の受領を誰が行うのかを分けておくと、委任範囲が明確になります。

委任事項は「遺品整理をすべて任せる」より範囲を限定する

書面にする場合は、「遺品整理に関する一切を委任する」と広く書くより、実際に任せたい内容を分けて書いたほうが依頼者の意図が伝わります。

たとえば、提出先と調整するための文言例として、次のような書き方が考えられます。これは法的な完成書式ではありません。

「○年○月○日、○○所在の住宅での見積立会いと鍵の受渡しを依頼する。契約・追加費用の承認は依頼者本人が行う。」

このほか、事前に指定した範囲の仕分けを任せる、残す物リストに記載した物は対象から外す、判断が必要な物が出た場合は指定した連絡先へ連絡してもらう、といった内容を必要に応じて加えます。

見積もりへの立ち会いと契約の承認は分けて考える

遠方に住んでいる場合、家族などに現地での見積もり対応を頼むことがあります。このとき、現地を案内することと、金額や作業内容を承認して契約することは別に考えられます。

たとえば、現地対応する人には部屋の案内と鍵の受け渡しだけを任せ、見積内容は依頼者本人へ連絡してもらい、本人が内容を見てから決める方法もあります。

反対に、代理の人へどこまで判断を任せるのかが曖昧だと、「この家具も対象にするのか」「予定外の場所も作業するのか」といった場面で、その場で判断できません。誰が現地対応し、誰が契約内容や追加作業を決めるのかまで伝えておきます。

鍵を預ける場合は受け渡しから返却まで決めておく

依頼者が現地へ行けない場合は、鍵の扱いも事前に決めておきます。誰から受け取るのか、どの方法で渡すのか、作業後は誰へどのように返すのかまで伝えます。

賃貸物件や管理されている建物では、依頼者と業者だけで決められない場合もあります。管理会社などとの調整が必要な物件では、入室方法や鍵の扱いについて先に条件をそろえておきます。

残す物・探す物・触れない物は委任範囲と別に伝える

作業を任せる範囲が決まっていても、室内にある物をすべて同じ扱いにするとは限りません。特に依頼者が現地にいない場合は、残す物、探している物、まだ判断しない物を分けて伝えます。

「写真は残す」といった指定だけでは判断しにくい場合があります。「リビングの棚上段にあるアルバム」「寝室の机の引き出しにある書類」のように、分かる範囲で品名と場所を組み合わせて伝えると判別しやすくなります。

判断が済んでいない収納や部屋があれば、「ここは触れない」と作業対象から外す方法もあります。家族への照会が必要な物についても、誰へ連絡するのかを先に決めておきます。

追加作業を誰が決めるかも先に決めておく

現地で作業範囲を見た結果、最初の打ち合わせでは想定していなかった作業について判断が必要になることがあります。

この場合に備えて、代理の人がその場で決めてよいのか、依頼者本人への連絡が必要なのかを分けておきます。

特に金額や作業範囲が変わる内容については、「本人の承認後に進める」など、誰の判断で進めるのかを事前に伝えておくと行き違いを避けやすくなります。

清掃作業を任せることと、相続財産について決める権限は別に考える

委任状を用意するときは、家財の仕分けや搬出、清掃などの作業を業者へ依頼することと、相続財産の所有権や、その財産をどうするか決める権限を同じものとして扱わないことも大切です。

誰が判断できる財産なのか分からない場合は、業者向けの簡単な委任状だけを根拠に、そのまま作業を進めないようにします。権限や扱いが不明な物は対象から外し、必要に応じて関係先や専門家へ相談してください。

国土交通省の「残置物の処理等に関するモデル契約条項」とは目的が異なる

委任状について調べると、国土交通省の「残置物の処理等に関するモデル契約条項」に行き着くことがあります。

これは、単身高齢者の賃貸住宅への入居に関して、賃借人と受任者との間で締結する死後事務委任契約などを想定し、賃貸借契約の解除や残置物の処理に関するモデルを示したものです。

一般的な遺品整理業者へ作業を依頼するときに用意する簡単な委任状とは、想定している目的や関係者が異なります。また、このモデル契約条項を使うこと自体が法令上の義務というものではありません。

詳しくは、国土交通省の「残置物の処理等に関するモデル契約条項」をご確認ください。

遺品整理の委任状に関するよくある質問

委任状には実印を押して印鑑証明書を付ける必要がありますか?

すべての遺品整理で一律に必要とはいえません。提出先や契約内容によって必要書類は異なります。業者や関係先から指定された書類がある場合は、その条件に沿って準備してください。

鍵を送れば立ち会いなしで必ず作業してもらえますか?

鍵を渡せば無条件で立ち会いが不要になるとは限りません。本人確認、物件への入室条件、見積もり、契約、鍵の受け渡しなど、依頼先や現場によって必要な手順があります。鍵を送る前に依頼先と方法を決めてください。

委任状を自分で作ってから見積もりを頼んだほうがよいですか?

先に依頼先へ所定書式の有無を聞く方法があります。自分で作る場合でも、依頼者、対象住所、任せる作業、任せない作業、鍵、本人への連絡が必要な事項、完了確認などをまとめておくと、打ち合わせに使えます。

遠方から依頼するときは「委任状の有無」だけでなく任せる範囲を伝える

立ち会えない遺品整理では、「委任状が必要か」だけを決めても準備は終わりません。誰が依頼するのか、誰が現地対応するのか、どの作業を任せるのか、残す物は何か、どの判断で本人へ連絡するのか、最後にどう報告を受けるのかまで決めておくことが大切です。

一人っ子で実家の整理を進める場合など、遠方からの片付け全体については一人っ子の実家片付けに関する記事も参考にしてください。遺品整理の作業内容についてはプロアシスト東日本の遺品整理サービスでご案内しています。

現地に立ち会えない事情がある場合は、実際の依頼条件、家財量、対象となる場所、残す物、鍵の状況など、分かる範囲からお伝えください。必要な準備や見積もりの進め方を含めてご相談いただけます。遺品整理の見積もりを相談する